投資信託の外国税額控除についての私的メモ

2017年12月29日

折れ線グラフ

株や投資信託などの税金って、複雑でよくわからないところが多いです。

特定口座や一般口座を利用して投資信託を購入した場合の外国税額控除について調べたことをまとめます。

海外の株やETFの配当金等の二重課税は外国税額控除で取り戻せる

海外の株やETFを購入した場合には、配当金等は租税条約に基づき定められた源泉徴収税率が源泉徴収されるようになっています。

海外の資産に対して投資をしている場合に、そこから得られる配当金や分配金に対してまずは外国で課税されます(外国税)。

国内の投資家に分配金を支払う場合には、国内で源泉所得税が課せられるので、内外二重課税となります。

普通の海外株式や海外ETFの場合は、総合課税または申告分離課税を選択して確定申告した場合に、外国税額控除を受けることで二重課税された分を取り戻すことができます。

<参考 配当金にかかる税額>

  • 米国株式 10%
  • 香港株式(H株、レッドチップ株)15%
  • 韓国株式 15%
  • ロシア株式 15%
  • ベトナム株式 非課税
  • インドネシア株式 15%
  • シンガポール株式 非課税(ただし、上場投信、海外企業の配当は課される可能性あり)
  • タイ株式 10%
  • マレーシア株式 25%

海外の公募投資信託の配当金等について

NISAやiDeCoを利用した場合は、そもそも国内で配当金等は課税されませんので分配金は二重課税にはなりません

ここでは、特定口座や一般口座を利用して購入した公募投資信託の配当金についての話です。

外国税額控除

現在は外国税を控除する仕組みがないので、内外二重課税となっています。

特定口座や一般口座で海外資産に投資する公募投資信託を購入した場合、海外から公募投資信託等へ配当金等が支払われるとその時点で外国税がかかります。

国内の公募投資信託等から投資家に配当が支払わると源泉所得税で国内税がかかります。

米国株へ投資する投資信託の場合

米国株投資信託のケースを考えてみましょう。

米国株から配当が出ると、現地の源泉税が10%かかります。(日米租税条約適用の場合)
100万円を投資して3%の配当が出た場合配当金は3万円。
10%税金がかかるので、現地源泉税は3千円、投資信託が受け取る配当金は2.7万円。

公募投資信託から投資家に受け取る場合は日本での源泉徴収税額は20.315%(復興税含む)
2.7万円の配当金に対して、5,485円の源泉税がかかり、受け取る金額は21,515円。

結果28.3%の税金がかかったことになります。

結果、受け取れる配当金は71.7%

今現在は、公募投資信託での内外二重課税に関して海外株や海外ETFのように外国税額控除を受けることができずに、税金を取り戻すことができませんでした。

平成30年度与党税制改正大綱に「投資信託等の二重課税調整」が盛り込まれた

平成30年度与党税制改正大綱(平成29年12月14日公表)に投資信託等の二重課税調整が盛り込まれました。

https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/136400_1.pdf

具体的には、公募投資信託の分配金は、源泉徴収税額を計算するときに、すでに支払った外国税を控除して計算されます。

米国株へ投資する投資信託の場合

米国株投資信託のケースを考えてみましょう。

米国株から配当が出ると、現地の源泉税が10%かかります。(日米租税条約適用の場合)
100万円を投資して3%の配当が出た場合配当金は3万円。
10%税金がかかるので、現地源泉税は3千円、投資信託が受け取る配当金は2.7万円。

ここまでは先ほどと同じです。

日本の公募投資信託が投資家に分配金を支払う時には、外国税で支払った分を控除して源泉税額が決まりますから

国内税 3万円×20.315%-3万円×10%=3,095円
配当金 27,000-3095=23,905円

20.315%の税金がかかったことになります。

結果、受け取れる配当金は79.685%

外国税額控除の計算方法が違ったみたいなので訂正。

「大和総研 外国税額控除の改正で投信のリターンが改善する」によると

大綱ではあくまで国税分(所得税 15%と計算上生じる復興特別所得税)のみ改正を行うとしており、地方税分(5%)については改正されない

とのことです。

参考 外国税額控除の改正で投信のリターンが改正する

改正案(想定)と書かれたところを見てみると、外国企業から投資信託へ支払われた際に米国であれば税引後配当が90、投信では国税分の15から控除した5を国が源泉徴収。

税引き後分配金は80.5となるとのこと。

この法案が通過すると、平成32年1月以降に適用されることになります。

二重課税の解消が投資信託側の源泉徴収で行われるので、確定申告の手続きが不要なのもいいですね

特定口座、一般口座で海外資産へ投資する公募投資信託を購入されている方や購入予定のある方には朗報ではないでしょうか。

税制改正大綱は、1月上旬から中旬にかけて税制改正要綱として閣議決定され税制改正法案は2月下旬ごろに通常国会へ提出され審議されたのち、3月末までに成立・公布されますので、注視していこうと思います。

まとめ

  • 海外株や海外ETFの配当金等は確定申告をすることで外国税額控除ができる
  • 海外資産に投資する公募投資信託の場合は、現在二重課税となっていて二重課税分を解消する方法がない
  • 平成30年の税制改正大綱では海外資産に投資する公募投資信託の二重課税解消について記載がある
  • 平成30年の税制改正大綱は、1月上旬から中旬にかけて税制改正要綱として閣議決定され、税制改正法案は2月下旬ごろに通常国会へ提出され審議されたのち、3月末までに成立・公布される

法案が通ると、海外資産へ投資する公募投資信託の二重課税が解消され、投資信託内で解消されるので、特定口座や一般口座で購入している方には朗報ですね♪

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投資, 資産形成

Posted by myu