医療保険は本当に不要なのか?わが家が迷いに迷って加入を結論付けるまで

2017年10月29日

薬

医療保険は損得だけで考えると、ほとんど戻ってくることがないので、加入せずにその分の掛金を貯蓄に回した方が経済的に合理的だという考え方が少しずつ広まってきています。

Twitterでお世話になっている方もこんな記事を書かれています。

おふたりとも、わたしよりも知識もあり、資格もあり、お金のこともそれ以外のこともお詳しいのでいつも参考にさせていただいています。

それで、医療保険に関しては、経済合理性がないというのはどこかの書籍で読みましたし、解約しようかどうしようか、けれども医療保険を解約するというのが不安で・・・。

タイムリーな話題だったので、もう一度医療保険について改めて考えをまとめてみたいと思います。

保険は相互扶助

まずは基本的な考え方から。

保険というものはそもそも相互扶助(そうごふじょ)の精神で成り立っています。

医療保険の相互扶助というのは、病気やけがに備えて保険料を支払い、医療を受けたときに保険から医療費を支払うしくみです。

もし、あなたが保険に加入をしていて医療を受けた場合は、加入しているみんなが支払った保険料から医療費が支払われますし、

もし、わたしが保険に加入していて医療を受けた場合は、加入しているみんなが支払った保険料から医療費が支払われます。

だから、「保険は不幸の宝くじ」といわれています。

不幸に当たればお金がもらえますし、不幸に当たらなければお金はもらえません。

医療保険の保険会社の利益率は高いので医療保険は不要?

会計士プリ子ママさんによると
プリ子ママさん

付加保険料という言葉がわかりにくいので、調べてみました。

付加保険料とは、予定事業費率によって算出した、保険事業を運営するために必要とされるコストのことです。
保険会社が契約者から受け取る保険料は、保険金・給付金・満期返戻金の支払いなどの財源となる純保険料と、保険会社が保険事業を営む上で必要な費用に使われる付加保険料の2つによって構成されています。

付加保険料(生命保険用語辞典) | 生命保険・医療保険のライフネット生命

要するに付加保険料というのは、経費+保険会社の利益となります。

代理店型であれば、
付加保険料=代理店手数料+広告費・店舗経費・人件費等+生命保険会社の利益

ダイレクト型であれば、
付加保険料=広告費・店舗経費・人件費等+生命保険会社の利益

医療保険は、付加保険料(経費+利益)が7割もとられていて、病気やケガがあったときに配られる純保険料の部分が3割しかないというのですから、これだと先ほどの相互扶助の観点からも疑問に思えてきますね。

実際に付加保険料がどれくらいの割合かライフネット生命を見てみた

実際に、どの保険にどれくらい付加保険料がかかっているのか割合についても調べてみました。

生命保険会社で純保険料と付加保険料の金額を公表していたのはライフネットしか見つけられませんでした。

ライフネット生命のホームページに行くと、ライフネット生命が提供している保険の純保険料と付加保険料を確認することができます。

参考 http://www.lifenet-seimei.co.jp/about/detail/05.html

例えば、ライフネット生命で扱っている終身医療保険の純保険料と付加保険料をみてみましょう。

保険料内訳表(代表例):終身医療保険「新じぶんへの保険」「新じぶんへの保険レディース」(入院給付金日額:10,000円/保険料払込期間:終身)

ライフネット生命

再度復習すると、

純保険料というのは、「保険金」「給付金」として保険に加入している人が受け取る分。

付加保険料というのは、保険会社が保険事業を営む上で必要な費用に使われる部分でした。

例えば、30歳男性(A1型)を見てみると、付加保険料(費用部分)が603円、純保険料(給付金として保険加入者が受け取る分)が2,337円ですので、付加保険料の割合は20%、保険料として受け取る分が80%です。

こうやってみてみると、すべての生命保険会社の医療保険の付加保険料がべらぼうに高いというわけではなさそうです。

付加保険料7割といわれると、相互扶助の精神からはずれるのではないかと思うくらいに保険会社の取り分が多いですが、2割程度であればこれくらいは経費+利益などがかかるのではないでしょうか。

保険という商品は、他の金融商品よりも経費が掛かるものです。

例えば、保険会社から保険請求があった場合はそれが正当な請求であるかどうかを審査する必要もありますし、他の金融商品のように顧客から解約申請があればシステムが自動的に解約を済ませてしまうとはいかないものです。

このようにみていくと、医療保険の純保険料と付加保険料の割合は、予定利率、予定事業率などによって決まってきますので、保険会社によって大きな差があると考えた方がよさそうです。

ポイント

医療保険は一般的には付加保険料が高い商品だといわれているけど会社によって大きな差がありそう

利益率ではなく、保険加入は必要か必要でないかをまずは考える

保険会社の利益が少ないからいい保険商品、利保険会社の利益が多いからいい保険商品、果たしてそうなのでしょうか?

まず、医療保険を考えるにあたっては、保険の加入が必要なのか不必要なのかというのを整理しなければいけません。

保険の見直しをするときに念頭に置いておかないといけないことは

  • すべてのリスクを保険で賄うことはできない
  • 現金で用意できないか考える
  • 公的な補助がないか確認する

大切なことは、いざというときに備えられるかどうかです。

すべてのリスクを保険で賄うことはまずできません。これを念頭に置いておかないと保険料が膨大になってしまいます。

では、医療保険が必要かどうなのか考えていきましょう。

最近の入院日数の傾向

保険に加入する前に現金で対応できる範囲かどうか必ず確認する必要があります。

まずは、病気にかかるとどれくらい入院しないといけないのかを調べてみました。

厚生労働省の平成26年 患者調査によると、退院患者の平均在院日数は31.9日。

退院患者の在院期間別に推計退院患者数の構成割合をみると、病院は「0~14日」が67.0%、「15~30日」16.2%、一般診療所は「0~14日」が83.0%、「15~30日」及び「1~3月」が7.3%となっています。

最近の傾向としては、医療技術の向上などにより体に負担の少ない医療行為が増えたなどの理由で、入院日数が短くなっている傾向があります。

三大疾病になると治療費が高いというイメージがあるが実際にはどれくらいなの?

病気といっても盲腸などの短期入院で済むものもあれば、長期に渡って入院を余儀なくされてしまう病気もあります。

治療期間が長くなる疾病についても確認してみましょう。

治療期間が長くなる疾病として三大疾病があります。三大疾病とは、がん・急性心筋梗塞・脳卒中の3つ。

傷病分類 総数 0~14歳 15~34歳 35~64歳 65歳以上 75歳以上
悪性新生物 19.9 32.1 18.6 15.4 21.7 26.1
心疾患(高血圧性を除く) 20.3 30.5 10.2 9.0 23.7 30.5
脳血管疾患 89.5 20.7 44.6 46.9 100.7 116.0

平成26年(2014)患者調査の概況 - 厚生労働省より

がんと心疾患は20日程度ですが、脳卒中などの脳血管疾患になると入院期間は長くなります。年齢によっても脳血管疾患では入院期間が異なり、若いほど入院期間が短く、年を取るごとに入院期間が長くなる傾向があります。

また、がんの場合は再発ということも考えられますから、1入院の日数が短くとも、何度も入退院を繰り返すようなケースの場合は医療費の負担も大きくなると考えられます。

公的な補助がないか確認する

高額療養費制度を使うと治療費はどれくらいになるのか?

日本には、医療費の家計負担が重くならないように、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1カ月で上限を超えた場合、その超えた額を支給するのが「高額療養費制度」と呼ばれる制度があります。

上限は、年齢を所得に応じて定められていて、いくつかの条件を満たすことにより、負担を更に軽減する仕組みも設けられています。

保険料

参考 高額療養費制度を利用される皆様へ-厚生労働局

高額療養費制度を利用すれば、入院にかかる費用がかなり抑えられます。

例えば、年収600万円の人が動脈硬化で23日間入院した場合を考えてみましょう。

動脈硬化で入院した場合の平均入院日数は23日、医療費の総額が1,515,400円だった場合

3割負担の場合窓口で支払う金額のめやすは 454,600円

高額療養費制度を利用した場合のめやすは 92,600円

(あくまで目安 10円単位で四捨五入)

つまり、手術などをしたとしても高額療養費制度を利用すれば、年収約330万円~約770万円の場合は、1カ月にかかる費用は9万円前後となります。

また、長期入院をした場合、多数回に該当する場合(過去12カ月以内に3回以上、上限額に達した場合)は、4回目から多数回該当となり上限額が下がります。

高額医療制度

参考 高額療養費制度を利用される皆様へ-厚生労働局

1カ月~3カ月までは9万円前後、4か月目からは44,400円となります。

ただし、この金額には入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。

個室などを利用しない場合は差額ベッド代が必要ありませんが、食費負担についてもみてみましょう。

入院時食事療養費

入院時食事療養費という制度があります。

この制度は、被保険者が病気やけがで入院した場合に、先ほどの高額医療制度とあわせて食事の給付が受けられます。

~平成28年3月 平成28年4月~ 平成30年4月~
一般の方 1食につき 260円 1食につき 360円 1食につき 460円

1カ月入院した場合の食費がどれくらいになるか計算してみましょう

平成28年4月~ 360円×30日×3回=32,400円
平成30年4月~ 460円×30日×3回=41,400円

1食460円って結構高いですよね。先ほどの高額療養費制度を利用して1カ月入院した場合の9万円に上乗せで4万円。合計13万円ぐらいかかってきます。

付加給付について

加入している健保組合によっては付加給付という制度を採用しているところもあります。

付加給付とは、企業の健康保険組合で1カ月の医療費の自己負担限度額を超過した費用を払い戻す制度のことをいいます。

大手企業などであれば採用しているところも多くありますので、加入の健保組合のホームページなどでご確認ください。

ただし、国民健康保険に加入する自営業者にはこの制度はありません。

ちなみに、うちが加入している健保組合がどうなっているか確認してみたところ、最終的な自己負担は3万円で、一部負担還元金として払い戻しとなっていました。

ポイント

付加給付は加入している健保組合による

会社員がもらえる傷病手当金について

傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがで仕事を休み給料などがもらえないときに、被保険者と家族の生活を守るために、休業1日につき直近12カ月間の標準報酬月額平均額÷30×2/3相当額が支給されます。

※自営業者には傷病手当金はありません。

こうやってみてみると、入院などに実際にかかる費用はそれほど多くはなさそうだというのがわかります。

がんの治療であれば、完治までに平均100万円。

1カ月の入院であれば、14~15万円程度でしょうか。

現金で医療費を賄うとしたらどれくらいの蓄えがあればいいのか

医療保険は入ってはいけない!』の 著書 内藤真弓さんによると

医療費に使えるお金が150万円以上あれば、医療保険に入らなくてもよい

貯蓄150万円あれば医療保険は必要なかった!?保険選びの考え方

と書かれています。

確かに、高額療養費制度や付加保険、傷病手当金などの公的な制度をみてみると、ある程度の貯蓄があれば医療保険は不要なのかなという気がしてきます。

でも、とりあえず医療保険はまだ入っておきたい理由

経済合理的なのはわかるのですが、なんだかやっぱり医療保険をいざ解約するとなると不安です。

理由をいくつか挙げてみると

  • 今後、医療費は増加する懸念
  • がんになると通院が結構お金がかかる
  • 先進医療特約には加入したい
  • 家族構成やライフプランをみてみて

今後、医療費は増加する懸念

窓口で支払う医療費の自己負担の割合の歴史を見てみると

~1981年10月 0%
1981年10月~1997年9月 10%
1997年 9月~2003年 4月 20%
2003年 4月~ 30%

徐々に自己負担の割合は増えてきていますね。

先ほど入院中の食費も自己負担が増えることを確認しましたが、今後の日本の社会保障を考えると、やはり自己負担は増加していく懸念があります。

今現在は、確かに高額療養費制度などの社会保障が充実しているので、純粋に医療費として貯蓄しておく金額がある程度あればいいのかもしれませんが、今後のことを考えるとやっぱりちょっと不安。

がんになると通院が結構お金がかかる

実妹ががんで闘病しております。

抗がん剤治療のあとにホルモン療法を行い、その後再発はしていないので今のところ大丈夫なのですが。

がんになると治療も長期間に及びます。

抗がん剤の治療は1回に5万円程度。

少し古い情報になりますが、PRESIDENT Onlineによると、「がんは平均100万円、入院費用1日1.6万円」。

平均なので、100万円以上かかる方もいれば、50万円程度で済む方もいらっしゃいますし、もっとかかる方もいらっしゃいます。

こればっかりは、病状にもよりますし。

体のことも心配しつつ、経済的なことも心配しないといけないというと、やっぱりとても大変です。

いざ、病気になったときにお金の心配をしなくて済むというのは、安定剤になるのではないでしょうか。

がんも含め、三大疾病に関しては、入院・治療費が他の病気よりも負担が大きくなりますので、それにはきちんと備えたいです。

先進医療特約には加入したい

元巨人軍の角さんががんで闘病しておられるテレビ番組を随分前に見ました。

外科的治療で取り除けないがんを、先進医療の粒子線治療を受けているという内容でした。

粒子線治療は、イオンを、加速器で光速の約70%まで加速し、がん病巣に狙いを絞って照射する最先端の放射線治療法ですが、保険が適用されません。

自己負担になり、陽子線治療だと約276万円、重粒子線治療だと約309万円([出典]厚生労働省「第49回先進医療会議資料 平成28年度(平成27年7月1日~平成28年6月30日)実績報告」

角さんの奥さんが医療保険の先進医療特約に加入をされていたので、粒子線治療が受けられているということでした。

このときに思ったのが、基本的にケチなわたしですが、先進医療に関しては、もしものときに加入していなければどのような選択になるかというと、『治療を諦める』という辛い選択にもなるかもしれません。

先進医療を実際に利用する方は少ないので、保険料自体は毎月数百円で済みます。

これこそまさに、保険本来の相互扶助という考え方に基づいた保険ではないかと思います。

ただし、先進医療特約は単体では申し込むことができないので、医療保険に特約として付ける方法となります。

家族構成やライフプランをみてみて

わが家は、夫が働いていて、わたしが専業主婦の家庭です。子どもは高校生と、来年中学生。

これから教育費もまだまだかかりそうな時期に入ってきています。

貯蓄に関してはまだまだ資産と呼べるほどできていませんし、家も購入しておらず賃貸住まいです。

こうしたことを考えると、ただ単に1人150万円貯金があれば医療保険は不要というのは少し安易かなと。

オリックス生命を選んだ理由

保険の外交ではありませんから、本当にいい保険かどうかはわかりませんが、オリックス生命に加入しています。

オリックス生命を選んだ理由は

  • 保険料が安い
  • 三大疾病無制限
  • 七大生活習慣病入院給付特則
  • がん特約を付与
  • 先進医療特約を付与

保険料が安い

まず、ネットで調べて保険料が大手生保よりもかなり安いです。

ライフネット生命は、付加給付や純保険料をホームページで公開していますが、オリックス生命は公開していないので、どれくらいの経費割合かはわかりません。

けれども、内容を比較してみたときに、オリックス生命の方がわたしが求めている保障内容だったので金額はさほど変わりませんが、オリックス生命にしました。

三大疾病無制限

また、三大疾病無制限型というのを選びました。今の医療保険の設定だと1入院60日までしかでなかったり、1入院120日までと制限があるものが主流です。

先ほども見ましたが、脳疾患の場合は入院が長引く傾向にありますから、三大疾病は無制限にしました。

ファインナンシャルプランナーもいっていましたが、三大疾病の無制限は本当に重症の場合しかでません。支給要件が厳しいんです。

60日間寝たきりで就業できないような状態でないと支給はされませんが、そういうときこそ、保険が必要なので、要件が厳しいというのは了解しています。

七大生活習慣病入院給付特則

三大疾病と、糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性腎不全の七大生活習慣病には1入院120日。

基本のプランは1入院60日にして医療保険の費用を節約して、かかりやすい疾患や長期入院になりやすい疾患などのときに困らないようなプランを選んでいます。

がん特約を付与

医療保険にがん特約を付けるのかどうかは、正直迷いました。

普通に入院しても入院給付金はおりますし、手術給付金もおりますから。

ですが、どうしても主人がつけたいというのでつけています。

先進医療特約を付与

年間にかかる先進医療特約は、うちの場合1,311円。

1カ月あたりにすると109円で2,000万円まで先進医療が受けられます。

まとめ

  • 保険は相互扶助であり、「不幸の宝くじ」
  • 医療保険の付加保険料(生命保険会社の経費+利益)は一般的に高いといわれているが生命保険会社による
  • 生命保険の加入を考えるときは、「すべてのリスクを保険で賄うことはできない」「現金で用意できないか」「公的な補助がないか」を確認する
  • 医療の公的な保障には、高額療養費制度、入院時食事療養費、付加給付、傷病手当金がある
  • FPの内藤真弓さんによると、目安としては医療費に使えるお金が1人150万円、夫婦で250万円程度あれば医療保険は不要(家族構成や自営業者などの環境によっては金額を増やした方がいい)

わたしが医療保険に入っている理由

  • 貯蓄が少ない
  • 将来医療費は増加することが予想されている
  • 病気になったときにお金のことは心配せず治療に専念したい
  • 先進医療特約には加入したい
  • 家族構成やライフプランを考えて

今後の検討課題:貯蓄がもっと増えれば医療保険を解約することも検討する。

医療保険に加入するのであれば、大手生命保険よりも共済やネット生保がいいかと。

myu
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お金がある人は医療保険は不要ですが、本当に必要な層まで解約してしまわないように

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Posted by myu