[比較]専業主婦の老後資金作りはiDeCo(イデコ)・つみたてNISA・年金保険・貯蓄のどれがいいの?

2017年10月29日

年金かけはし

少子化・人口減少で老後資金の心配をされている方も多いのではないでしょうか。

わたしはTwitter(@myulog)をやっているのですが、そうすると、最近フォローしている方がiDeCo(イデコ又の名を個人型確定拠出年金)に加入したというツイートが流れてくるんですよね。

myu
myu
みんながやっているとやらないといけないような気がしてくる~

ということで、今日は「専業主婦の老後資金作りはiDeco(イデコ)・つみたてNISA・年金保険・貯蓄のどれがいいの?」というテーマで考察してみようと思います。

あくまで今回考察するのは「専業主婦」の場合で

サラリーマンや自営業者の場合は専業主婦とは違って、イデコに加入することによって所得税や住民税の税金が繰り延べされますので、あしからず。

myu
myu
ていうか、iDeCoってなんでDとCだけ大文字なのよ!入力しにくいじゃない!

まずは制度を確認してみよう

専業主婦が老後資金を作ろうと思ったらどんな方法があるかというと

iDeCo(イデコ)、つみたてNISA、年金保険、純粋に貯金、この4つぐらいでしょうか?

  • 自分で運用するのであれば、iDeCo(イデコ)、つみたてNISA
  • 運用を保険会社にお任せする場合は年金保険
  • 投資や保険には興味がないという人は貯金

大まかにわければこのようになります。

普通のサラリーマンの場合だと、年金は1階建て部分の上に厚生年金の2階部分、企業年金がある企業だと3階建てとなりますが、専業主婦の場合は1階部分しかないので心もとないですね。

一応、夫が亡くなった場合は遺族年金が加算されますが、夫が健在の時よりも受給額が減ります。

また、専業主婦の場合だと1階部分の年金も負担していないので「1階部分も払ってないでしょ!」といわれそうですが、すみません、お世話になっております。

さて、本題に戻りまして。

iDeCo(イデコ)の制度はどうなっているの?

とりあえず、どんな制度なのかを知らないと話になりませんからイデコについて調べてみたことをまとめます。(もう、iDeCoと入力するのが面倒なのでイデコと書きます)

最初は個人型確定拠出年金という名前でしたが、「名前が堅苦しいから加入者増えないよ!」ということで、「イデコ」に変わりました。

myu
myu
名前が変わったって制度が難しかったら加入者増えないと思うんですけど。

さて、そんなイデコですが、具体的にどのような制度なのでしょうか?

イデコは、自営業者(第1号被保険者)や企業年金制度を実施していない企業の従業員(第2号被保険者)のための制度でしたが、2017年1月1日より、企業年金に加入している従業員の一部や、さらに公務員や専業主婦など公的年金の加入者なら加入できる私的年金で、日本版401Kと呼ばれる制度です。

年金の運用方針や投資先の選定や資金の配分などを加入者個人の采配で行います。

簡単にいうと、投資に失敗して損して受け取る額が減っても自己責任、投資に成功して得をしたらよかったね、という制度です。

でも、それだけだと加入者が増えないから、

  • 税金を少し優遇してあげるから自分で年金作りがんばって!

という感じでしょうか。

専業主婦の場合、イデコの税制メリットはあるのか?

普通に投資信託や株などを特定口座で運用しようとすると、受け取った配当金や売却したときの売却益には税金がかかります。

どれくらい税金がかかるかというと、税率は利益に対して20%。(2037年12月31日まで復興増税で20.315%)

では、イデコに加入するとどれくらい税金が安くなるかというと、

  1. 年間に積み立てたイデコの掛金の全額を所得控除(小規模企業共済等掛金控除)
  2. イデコの運用益は非課税
  3. 受け取るときの税金も少し優遇

年間に積み立てたイデコの掛金の全額を所得控除(小規模企業共済等掛金控除)

イデコの一番のメリットは、1の「掛金の全額が所得控除」される点です。

例えば、年収500万円のサラリーマンが掛金の上限月々23,000円を拠出した場合の節税効果は55,200円。

イデコに拠出するだけで年間の税金が5万円以上も少なくなります。これが30歳加入なら30年間、40歳加入なる20年間、恩恵を受けるのですからかなりのまとまった金額になります。

けれども、専業主婦の場合はというと、所得がないのでもちろん所得税も住民税も支払っていません。つまり、そもそも税金を支払っていないので控除されません。

だから、1の「掛金の全額が所得控除」は専業主婦には関係ないのです

イデコの運用益は非課税

イデコの運用益は非課税になります。これは専業主婦でもメリットですね。

普通だったら、運用益に対してかかる税金20%程度が0なのですから。

受け取るときの税金も少し優遇するよ

イデコを受け取る場合は、分割で受け取る方法と、一時金として一括で受け取る方法、分割と一時金を併用する方法の3つがあります。

分割で受け取る場合は雑所得扱いとなるので、他の公的年金などの収入を合算して公的年金控除の対象となります。

現行制度の場合であれば控除額は

65歳未満 70万円
65歳以上 120万円

までの年金に税金がかかりません。

例えば、40歳の専業主婦がイデコに20年間加入して、据え置き期間なしで10年間分割で受けたとすると1年間に受け取る年金額は552,000円となりますから、65歳未満でも所得税・住民税はかかりませんね。

参考 将来受取額シミュレーション – 第一生命保険株式会

一時金で一括で受け取った場合の税控除も確認しておきましょう。

一時金で受け取った場合は退職所得控除の適用となります。

退職もしていないのに退職所得控除という名前もおかしな話なのですが、控除額を確認しましょう。

勤続年数20年以下 40万円×(イデコ加入年数)
勤続年数20年超 800万円+70万円×(イデコ加入年数-20年)

例えば、19年間イデコに拠出した場合、40×19=760万円まで非課税です。

月々23,000円拠出して19年だと掛金の総額は5,244,000円。235万円運用益を上げても非課税ということになりますね。

まとめると、

  • 専業主婦がイデコを利用した場合は、サラリーマンと違って所得控除はない(収入がないから)
  • 運用益は非課税になる
  • 受け取り時も無収入の専業主婦の場合は全額非課税になる可能性が高い(利益による)

ただし、イデコの場合は証券会社や国民年金基金連合会に支払う手数料が若干かかります。また途中で払い出すことができないのがデメリットの1つです。

さらに、特別法人税というのが現在凍結されていますが、凍結解除になると運用資産に対して1.173%の税金がかかります。

どれくらい凍結解除で威力があるかがわかりやすいのがこの図。

特別法人税

これは、生命保険協会 平成29年税制改正に関する要望の中で、特別法人税が復活した場合、年金給付額がどれくらい減るのかがシミュレーションされています。

毎月1万円を25年間積み立てて、10年間年金を受け取ると仮定し、運用利回り2.5%として、積立金に対する特別法人税の課税がある場合とない場合とを比較。

結果、特別法人税が復活すると25年間の積み立てでは年金給付額が20%削減されるというものです。

 

今のところイデコが施工されてから特別法人税はかかったことがありません。

超低金利の今の時代は特別法人税の復活は可能性として低いと考えられる方も多いようです。

myu
myu
わたしが政治家だったら、新しい制度を作って税金を取るよりも凍結解除しちゃうけどな

つみたてNISA

投資で得た利益に対して非課税になる制度はイデコだけではありません。NISAというのもあります。

現行NISAは期間が短く5年でロールオーバーすることで最長10年間非課税の恩恵を受けられます。

そして、来年からつみたてNISAというのがはじまります。

積立NISAの期間は20年。

40歳の方が20年間積立NISAをするとちょうど60歳になります。

つみたてNISAの特徴は、毎年の非課税枠投資枠から得た利益・分配金にかかる税金がゼロになりますが、年間に投資できる枠は40万円までとなっています。

選べる投資先に関しては現行NISAよりも幅が少なく、政府の方針に沿った投資信託になります。

つみたてNISAの概要

非課税投資枠等 年間投資上限額:40万円、非課税保有期間:20年間、投資可能期間:平成30年~49年(20年間)
投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託で以下の要件をすべて満たすもの
○ 信託契約期間が無期限又は20年以上であること
○ 分配頻度が毎月でないこと
○ ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
○ 告示で定める要件を満たしていること(別紙)
投資方法 契約に基づく定期かつ継続的な方法による買付け
現行NISAとの関係 一般NISAと選択して適用可能
受付・購入 受付開始:平成29年10月1日、買付開始:平成30年1月1日

つみたてNISAについて – 金融庁 より

対象商品については、今後も注視ですね。

つみたてNISAで注意しておかないといけないことは

  • つみたてNISAの口座で発生した損失は税務上ないものとされ、一般口座や特定口座での譲渡益・配当金等と損益通算はできず、繰越控除もできません
  • 非課税投資枠は途中売却が可能ですが、売却部分の枠の再利用はできません
  • NISA・つみたてNISAは選択制であり、同一年に両方の適用を受けることはできず、原則として変更は各年において申し込む必要がある。
  • 上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に

つみたてNISAの場合は、ネット証券であれば口座維持手数料もかかりませんし、ノーロードといって諸費用がかからない投資信託を利用することもできますから、実質かかってくる費用は信託報酬ぐらいです。

簡単にいうと、運用で損がでたときは自己責任、損益通算はしてあげないよ!利益がでれば利益にかかる税金は非課税にしてあげるよっていう制度。

年金保険

日銀の黒田総裁が、日本政府の国債が多いから10年債は0%付近にしたい。

でも、20年債や30年債がこれ以上下がってしまうと銀行や保険会社が苦しくなってしまうから、マイナス金利政策だけど保険会社を助けるために、今までにはなかった長期金利にまで日銀の影響力を示し、イールドカーブをスティーブ化させるといってから少し時間が経過しました。

9/21の黒田総裁

「金利操作1年、適切なイールドカーブが形成」

と発言しておられます。

イールドカーブ

日本-国債 Investing.com 2017/9/24 より

イールドカーブを見てみると、40年債の1年前は0.552%、現在は1.03%と確かに改善しています。

20年債の現在が0.545%。

保険会社は長期国債で個人年金保険を運用していることが多いので、20年債で1%ぐらいは欲しいですね。

長期国債の利率が低くなると当然個人年金保険の運用利回りも下がるので、個人年金保険でいい商品を探すのは大変な時代になっています。

例えば、明治安田生命の年金かけはしをシミュレーションしてみました。

参考 5年ごと利差配当付特別個人年金保険(2011) 年金かけはし

例 40歳、女性、据え置き期間なし、月掛保険料12,000円

結果

年金かけはし

25年間保険料を払い続けて、年金受け取り率103.0%。

支払い総額 360万円に対して一括で受けとる場合約365万円(+5万円)
年利・単純利回り・返戻率を確認してみると
年利:0.1%
単純利回り:0.05% (受取利息÷支払総額÷25年)
返戻率:101.38% (受取総額÷支払総額)

支払い総額 360万円に対して年金で受けとる場合約370万円(+10万円)
年利・単純利回り・返戻率
年利:0.15%
単純利回り:0.08% (受取利息÷支払総額÷34年)
返戻率:102.77% (受取総額÷支払総額)

年利・単純利回り・返戻率に関しては「保険返戻金の年利計算ソフト」を参考

25年の長期に渡って払い続けて年利にすると0.15%~0.10%程度しかないというのは、残念な結果ですね。

ただし、個人年金に加入すると専業主婦の場合は夫の所得税・住民税の控除対象になります。

受けられる控除額は、所得税と住民税に対して、以下のとおりに設定されています。

[所得税]

年間の支払保険料総額  所得税の控除額
2万円以下 支払保険料の全額2万円超~4万円以下
2万円超~4万円以下 2万円超~4万円以下
4万円超~8万円以下 支払保険料×1/4+2万円
8万円超 4万円

[住民税]

年間の支払保険料総額 住民税の控除額
1万2,000円以下 支払保険料の全額
1万2,000円超~3万2,000円以下 支払保険料×1/2+6,000円
3万2,000円超~5万6,000円以下 支払保険料×1/4+1万4,000円
5万6,000円超 2万8,000円

どれくらい個人年金保険に加入して夫の所得税・住民税が安くなるかをシミュレーションしてみましょう。

例えば夫の年収600万円で、所得税率が10%、専業主婦の年間の年金支払い総額が144,000円(12,000×12カ月)だという家庭があったとします。

そうすると、上の表に照らし合わせて、所得税の控除額は40,000円、住民税の控除額は28,000円ということがわかります。

実際に税金がどれくらい安くなるかというと、所得税率10%なので

所得税 40,000×10%=4,000円
住民税 28,000×10%=2,800円

合計6,800円、夫の所得税と住民税が軽減されます。

ということは25年で170,000円お得になります。

これを先ほどの年利でなおすと

支払い総額 360万円に対して一括で受けとる場合約365万円(+5万円)+税軽減17万円
年利・単純利回り・返戻率を確認してみると
年利:0.46%
単純利回り:0.24%(受取利息÷支払総額÷25年)
返戻率:106.11% (受取総額÷支払総額)

支払い総額 360万円に対して年金で受けとる場合約370万円(+10万円)+税軽減17万円
年利・単純利回り・返戻率
年利:0.42%
単純利回り:0.22% (受取利息÷支払総額÷34年)
返戻率:107.5% (受取総額÷支払総額)

年利・単純利回り・返戻率に関しては「保険返戻金の年利計算ソフト」を参考

税優遇を考えると年利が少し上がります。

今回は夫の所得税率10%で計算してみましたが、年収が多く、扶養家族が少ない家庭の場合は所得税率が高いケースもありますから、おのずと結果も違ってきます

貯金

自分の老後資金のためにひたすらに貯金するというのはどうでしょう?

多分、日本人は投資に対してはかなり慎重派な人が多いと思います。

このブログでコメントをくれる方の中にも、「投資なんて素人がやっても儲かるわけない」とお考えの方もいらっしゃいます。

国が『貯蓄から投資へ』といっても、一向に投資にお金が向かわず、預金率が高いままなのは、バブル崩壊後から続くデフレのせいなのでしょう。

実際に、日本はバブル崩壊してから20年間デフレが続きました。

デフレが続くということは、インフレの逆ですから、株や不動産は値下がりし、通貨の価値、つまり「円」が高くなったのです。

デフレになると通貨の価値が高くなる現象ですから、バブル崩壊後の20年間一番得をしたのは現金を握っていた人たちです。

例えば、バブル崩壊直前に日本株を購入した人は4万円から8,000円を下回り、今やっと2万円。

「山高ければ谷深し」といいますが、ジェットコースターに乗った人は大損した人も多かったのではないでしょうか。

逆に資産のほとんどを現金で持っていいた人はどうなったかというと、デフレというのはモノの価値が下がる現象なので金利は低く見た目のお金は増えませんが、買えるものは増えました。

同じ家を購入しようとした場合、バブル崩壊前とバブル崩壊後の最安値では全く値段が違いますから。

つまり、今後もデフレやディスインフレが続くと思う方は貯金に励めば今まで通り資産は守れます。

逆にインフレになれば、貯金だけだとモノの価値が上がって通貨の価値が下がるので、貯金だけだと資産を守ることが難しい場合もあります。

まぁ、将来、経済状態がインフレ・デフレ・スタグフレーションのいずれになるかは、経済学者でもわかりません。

将来のことは誰にもわからないのですから。

まとめ

iDeCoのメリット・デメリット

専業主婦が年間に投資できる金額は23,000×12=276,000円
専業主婦の場合、所得税・住民税の控除が受けられない(所得がないため)
投資信託や株などのリスク商品だけではなく預金や保険なども選べる
手数料はつみたてNISAよりも高い
運用益は非課税
専業主婦の場合受け取るときもで他に所得がない場合はかからない
特別法人税が復活すると年金給付額が20%削減されるシミュレーションがある
一度はじめると60歳まで引き出すことができないので流動性が低い

つみたてNISA

年間に投資できる金額は40万円
積立期間は20年
運用益は非課税
選べる商品は投資対象商品に限られる
一般口座や特定口座と損益通算はできない
現行NISAとつみたてNISAは選択性
途中でやめることもできるので流動性が高い

年金保険

超低金利の現在運用利回りは低い
所得税・住民税控除を夫側の所得から控除できる
金利は固定されるのでインフレに弱い
中途解約すると支払った額よりも解約返戻金の額の方が少なくなり損をするので流動性が低い

貯金

デフレのときは通貨の価値が上がるので、デフレ時には貯金は有利
インフレに弱い
流動性が高い

もし、専業主婦がイデコをするのかつみたてNISAをするのか迷われているのであれば、イデコよりもつみたてNISAです。(ただし40歳以降限定、なぜならつみたてNISAは20年だから)

イデコよりもつみたてNISAがいい理由は

  • 費用がイデコよりもつみたてNISAの方が安い
  • つみたてNISAは流動性があるが、イデコは流動性がない
  • 利益に対して非課税なのはどちらも変わらない

資金に余裕がある人の場合は、両方やってもいいですね。

今後も20年、30年とデフレが続き、投資では利益がでないと考える方は年金保険もしくは貯金。それでも少しでも増やしたいと思う方は年金保険ですが、固定金利になるのでインフレには超弱く、中途解約では損するので、そのことを十分に理解してから加入しましょう。

流動性を重視するのであれば貯金ですかね。

myu
myu
どれを選ぶかはあなた次第

補足 資産運用は全体で考えた方がいい

資産運用は、資産全体がいくらあって、どれくらい投資に振り向けられるのかを考えてから、その配分を決め、その後運用する商品を選ぶという順番がいいです。

わが家の場合は投資に向けられる資金がまだ200万円程度しかありませんから、しばらくは株主優待を取りながら、暴落を待つ作戦です。

資産運用は 元金×利回りなので、雪だるまの芯を作っている途中。

まだまだ節約生活は続きます。

iDeCoに加入を検討していて住宅ローンを支払っていて所得税ゼロの人はこちらの記事もどうぞ。

※投資についての記事も掲載しておりますが、このサイトは投資を推奨するものではありません。投資はリスクが伴いますので自己責任でお願いいたします。

スポンサーリンク