SBI証券の一般信用を使った株主優待取得の仕組みを理解する

2017年11月7日

信用売り5日スケジュール

株主優待は利用したいけど、優待目的で株を買ってその後株価が下落して結果損をしてしまうイヤ。

「高値掴みはしたくない」けれども「株主優待はもらいたい」そんなときに利用できるテクニックとして知られているのが『つなぎ売り』(クロス取引といわれることもあります)と呼ばれているものです。

以前から、株主優待には興味があり現物を購入したこともあったのですが、今は日経平均も2万円を超えて、高値掴みが怖くて手がでません。

ということで、今年は株主優待目的で、はじめてのつなぎ売りにチャレンジしてみたいと思います。

ですが、信用取引を行うためには、信用取引口座を開設が必要となります。

信用口座を開設するためには審査があるのですが、証券会社によって「開設基準」は違いますし、またその開設基準は公開されていません。

おそるおそる、現在口座開設しているSBI証券で信用口座を申し込んでみたところ、審査はすんなり通過して、申し込みの翌日には開設できました。

さて、話を元に戻しまして、つなぎ売りというのは、現物買いと信用売りを同時に両建てで行い、権利落ち日に現渡しという方法で信用売りを決済します。

この方法を使うと、株価が乱高下したとしても、現物買いと信用売りを両建てし現渡しで決済するので、株価の損益は一切発生しません。

かかる費用といえば、証券会社へ支払う手数料。(現物取引手数料のほかに、信用新規売りの取引手数料、貸株料や逆日歩)

これらの手数料を支払ってもいいような魅力的な株主優待があるときには、つなぎ売りは有効な手段ではないでしょうか。

一般信用と制度信用について

さて、信用売りには、逆日歩がかからない「一般信用」と、逆日歩が発生する「制度信用」の2種類があります。

気をつけないといけないのは制度信用の逆日歩で、証券会社が空売り用の株を調達できなかった場合に機関投資家などから調達するのですが、その価格は入札で決まり、翌日にしかわかりません。

例えば、2016年12月31日分のロイヤルホールディングス (8179)の場合に、ロイヤルホールディングスは1株当たり50円(100株で5,000円)の逆日歩が発生しました。クロス取引で優待を獲得した場合、500円の優待食事券にかかった逆日歩は5,000円。

このように、株主優待目的でクロス取引をする人が多いと、逆日歩がかかって逆に損をしてしまうということがあります。

一般信用の場合であれば、逆日歩はかかりませんから、初心者の方は株主優待目的でクロス取引をする場合は一般信用の方がいいですね。

ということで、ここでは制度信用よりも安全な一般信用を使って、SBI証券でつなぎ売りをする場合の流れを見ていきます。

SBI証券の一般信用では短期(返済期限が短期(5日)が利用できるので、空売りで逆日歩は発生せず、コストが増大する心配をせずに、株主優待を狙うことができます。

SBI証券の一般信用(短期)のつなぎ売りのやり方

SBI証券の一般信用(短期)を使ったつなぎ売りの流れをみてみましょう。

手順1.権利付最終日の寄付前までに注文を入れる

まず、つなぎ売りをするために、現物買いと信用売りを権利付最終日の寄付前までに注文します。

  • 現物買い成り行き注文
  • 一般信用売成り行き注文

※ザラバや引けでの注文だと、直前値から株価が変動する可能性があるので、不公正取引(仮装売買)に該当する場合があります。
※一般信用売り1000株、現物買い500株などと株数が不均衡だと、異なる失効条件の場合も同様に不公正取引(仮装売買)に該当する場合があります。

つまり、株主優待目的でつなぎ売りをする場合は必ず、寄付きまでに注文し、現物買い成り行き注文と一般信用売成り行き注文で株数を同じにしなければいけません

スケジュールを確認してみましょう。

SBI証券では、一般信用売りの注文は当日の19〜翌営業日の15時までしかできません。

ですから、人気がある株主優待の場合、権利落ち日を含めた5営業日の前日に信用売り建てを行わないと、売切れてしまう可能性が高いです。

つなぎ売りを行う場合、権利付最終日までに現物買いを行う必要があります。信用新規売建ては、返済期限が短期(5日)の場合、権利落ち日を含め5営業日前(土・日・祝日を除く)から、権利付最終日までのいづれかの日に行う必要があります。

<スケジュールの例>

信用売り5日スケジュール

例えば、31日が株主優待の権利確定日だとすると、株の受け渡しは4営業日目が受渡日になりますから、上のカレンダーの場合、26日が権利付最終日、27日が権利落ち日になります。

権利落ち日を含めた5営業日の前日19時以降から権利付最終日前日までに両建てを行って、権利落ち日に現渡しを行うというスケジュールになります。

2.権利落ち日に、現渡しを行う

権利落ち日に、現渡しを行います。

現渡とは、証券会社から借りた株式を同じ銘柄・同じ株数の保有株式で返済し、当初信用取引で売り付けた代金を受け取ることをさします。

SBI証券の現渡注文は15:30以降は翌営業日注文になるので、必ず権利付き最終日の15:30以降に注文を行います(翌営業日の約定となる)

SBI証券のヘルプで確認してみたところ、現渡注文の注文可能時間は

  • 営業日の0:00~15:30までの注文された注文を当日注文
  • 15:30以降は翌営業日注文

と記載されています。

つまり、権利付き最終日が26日だとして、権利落ち日が27日だとします。その場合は、26日の15:30以降に現渡すればOKです。

また、

コーポレートアクション(株式分割や株式併合など)が発生する銘柄は、権利付き最終売買日の15:30から夕方の値洗い処理が完了するまでの間(18時頃(予定))は、現渡注文をお受けできません。

とありますから、コーポレートアクションが発生する銘柄は18時以降に現渡をしましょう。

信用取引の方法(現渡)ーSBI証券

SBI証券のつなぎ売りの手数料はどれくらいかかるのか

株主優待目的でつなぎ売りをしたとしても、株主優待の内容よりもつなぎ売りにかかる手数料が高くかかってしまっては、元も子もありません。

ということで、つなぎ売りにかかる費用はどれくらいになるのか、例を見ながら確認していきましょう。

<40万円の取引の場合>

取引 手数料等コスト 計算
現物買い 手数料 40万円の取引の場合 293円
信用売り 手数料 40万円の取引の場合 206円
貸株料 (最短)2日分の貸株料
40万円×3.9%×2日/365
85円
現渡し 手数料 0円
コスト計算 584円

計算できたコストは584円です。これに配当金受払いの差額分を加えた金額がコストになります。

40万円の取引の場合(貸株2日の場合)のコスト 584円+α

配当金受払いの差額とは、権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金を支払います。つまり、配当金の約20%の差額分が+コストとなります。

現物買い手数料

まず、現物買いの手数料ですがSBI証券の現物買いにはスタンダードプランとアクティブプランがありプランによって手数料が異なります。ここではスタンダードプランを利用した場合の手数料で計算してみます。

<スタンダードプラン>

1注文の約定代金 手数料
10万円まで 139円 (税込150円)
20万円まで 185円 (税込199円)
50万円まで 272円 (税込293円)
100万円まで 487円 (税込525円)
150万円まで 582円 (税込628円)
3,000万円まで 921円 (税込994円)
3,000万円超 973円 (税込1,050円)

信用売り手数料と貸株料

信用取引もスタンダードプランとアクティブプランの2種類があります。

ここではスタンダードプランを利用した場合の手数料で計算してみます。

1注文の約定代金 「約定日の前営業日の未決済建玉の建玉代金合計」または「約定日の前営業日の新規建約定代金合計」
5,000万円未満 5,000万円以上
20万円まで 143円 (税込154円) 0円
50万円まで 191円 (税込206円)
50万円超 360円 (税込388円)

信用売り(短期)の貸株料は3.90%。

配当金(現物と信用)受け払いの差額について

クロス取引をするということは、権利付き最終日に現物と信用売りを持っているということになります。

すると配当金はどうなるのでしょうか?

現物の配当金は税金が差し引かれた配当金(20.315%が引かれる)を受け取ります。
信用売りの配当金は配当落ち調整金を支払います。

つまり、信用売りよりも現物の配当金が少ないので約20%ほど、配当金にかかる税金を負担することになります。

そして、信用売りの配当金は、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)を委託保証金現金より拘束され、配当金が確定後に拘束金から支払います。

ただし、特定口座(源泉徴収あり+配当受入あり)かつ配当金の自動受取(株式比例配分方式)にしておくと、特定口座内の譲渡損と自動的に損益通算されるので、翌年1月に税金の余分な支払いは再計算されて還付されます。

覚えておくこととすれば

クロス取引をする場合は

特定口座(源泉徴収あり+配当受入あり)かつ配当金の自動受取(株式比例配分方式)にしておく
そうすることで余分に差し引かれた税金は翌年自動計算されて戻ってくる

まとめ

  • 株価変動リスクを軽減して株主優待を受け取るテクニックとして「つなぎ売り」がある
  • つなぎ売りは、現物買いと信用売りを同時に両建てで行い、権利落ち日に現渡しという方法で信用売りを決済することをいう
  • 信用取引は、制度信用と一般信用とがあり、制度信用の場合は逆日歩がかかる
  • SBI証券には一般信用短期売り(5日)があり、つなぎ売りをするのに便利
  • つなぎつなぎ売り(一般信用)にかかるコストは、現物買い手数料+信用売り手数料+信用売り貸し株料+現渡手数料

<一般信用(5日)を使った株主優待について>

  1. SBI証券の一般信用を使った株主優待取得の仕組みを理解する←今ココ
  2. はじめての株主優待目的でクロス取引-SBI証券の一般信用(5日)を利用する方法
  3. はじめての株主優待目的でのクロス取引ーSBI証券で現渡しをする方法ー
  4. [SBI証券 一般信用(5日)優待クロス]スタンダードプランとアクティブプランを比較
  5. 【株主優待・SBI証券】フライングクロスって何?一般信用(短期)の強制決済のタイミングと方法
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