ライフステージが変わると交友関係も変わりますよね。
仕方のないことだし誰しも経験することだと思います。そんなお話。
二人出産して復帰した同期がいる。
この時代によく二人も産んでくれた!という気持ちも確実にあるのだが、復帰後圧倒的に二人の会話はない。
共通言語がない。
正直に言うと、入社●年目、という経験年数が同じというのには違和感がある。
だって、彼女は産休育休を二度経ていて、大体三年近くいなかったのだから。
経歴に書くのであれば、入社●年目(三年休職)
とかにしてほしい。
同じ経験年数だと思われたら救われない。
私と彼女は契約社員として同期入社した。
契約社員として五年以上勤続している社員は正社員登用せよという法律ができ、ご多分にもれず彼女と私はその機会を得た。名目上の試験はあったものの、二人とも無事正社員になった。
のだが、この話があったとき、彼女から「正社員登用試験の対策どうする?」
と聞かれた。
「え?Aちゃんも試験受けられるの?」
とつい口から出てしまった。
その時点で、彼女は第一子を出産していて、産休育休を取得し復帰した直後だったから。
休職してもその間の年月は勤続年数にカウントされるんだね。それってなんか変じゃない?
休職中仕事してないのに?
私はさ、Aちゃんがいない間にAちゃん分の仕事負担して、それまでよりももっとずっと頑張ったし苦労もした。その分成長もしたと思ってる。
だけど、Aちゃんもそれと同じだけ働いていましたよ、と見なされるのか。
なんで?と正直思った。
制度だからと言われたらそれまでなのだが。
そういう思いはお腹のどこかにありながら、復帰した彼女と波風立てずに、適度に距離は保ちつつ、仲良くやってきた。
数ヶ月後、Aちゃんが2人目を妊娠したと他の人から聞いた。
え、 また?
と、思わず思ってしまった。
いや、尊いよ。もちろん喜ばしいことだと思うよ。私も同じ立場になる可能性だってあるんだし。
だけど、だけどさ、またその分の仕事私が負担するの?私だって頑張ってるんだよ。だけど誰も頑張ってるねとか産休育休とってる人の分だけ頑張ってくれてありがとうとか、言ってくれないじゃない。
出産頑張ってね、復帰おめでとう、って言うよ。言うけどさ、私だってその影でその分頑張ってるんだよ。だけど、誰もその頑張りを認めてくれないじゃない。
この前復帰したばっかりじゃない?正社員になったばっかりじゃない。
やっと戻ってきてくれた、その間の負担がやっと軽くなった、これからまた一緒に頑張ろうねって言ったばっかりじゃない。
また?また、Aちゃんがいない分の仕事を私がやらなきゃいけないの?誰も認めてくれない仕事を?それでまた復帰しておめでとうって、戻ってきてくれてありがとうって言わなきゃいけないの?
私が産んでいない分、頑張って産んでくれて、日本の少子化に貢献してくれてありがとう。
無事に出産できて本当によかった。
復帰おめでとう。おかえり。
これは本心。
だけど、もう彼女と仕事で必要なこと以外は話さない。話せない。
共通言語がない。
なぜだかわからない、申し訳のない気持ちと、そんなふうに思う自分への情けなさと、だけど私だってこんなに頑張ってきたんだというほんの少しの自尊心が相まって、彼女と話す時にはうまく笑えない。
こんなことを思っているんだよ、だから避けている訳では無いよ、うまく話せないだけなんだよと彼女に言うのも何か違う。
彼女が悪いわけでも、私が悪いわけでもない。
女性はライフステージによって交友関係が変わることは殊更多いだろうと思う。
ただ、それが悲しいとかつらいとか、そういうことだけではなくて、あぁなんだか自分の意思ではないのだれけど、なんとなくうまくいかなくなってしまったなという、形容しがたい感情がそこにはある。
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